イヌタデは野草、雑草としてよく目にする植物です。
可愛らしい赤い花穂が特徴のイヌタデは野山や道端でよく見かけますが、実は食べることができるんです。
日本では「おままごと」にも使われ、昔から身近な存在でしたが、食用にするとなると少しハードルが高い印象かもしれません。
本記事では、イヌタデを安全に食べるための知識やおすすめの食べ方、そして簡単なレシピをご紹介します。
イヌタデは食べることができる草!
イヌタデはタデ科の植物で、細長い茎と小さな赤い花を咲かせる野草です。
日本では「アカマンマ」という愛称で親しまれ、その名前は子どもたちがイヌタデの赤い穂状の花をご飯に見立てて遊んだことに由来するとされています。
例えば、花を器に見立てて、道端で見つけた小さな虫を「おままごと」の料理に使ったり、花穂を赤ちゃんに見立てて遊んだりしたと言われています。
雑草として扱われることも多く、食用にされることはあまりありません。
しかし、イヌタデはビタミンやミネラルなど、栄養価の高い植物であることが知られています。
若葉を茹でておひたしや和え物にしたり、乾燥させてお茶にしたりするなど、様々な食べ方が可能です。
イヌタデを食べる場合の安全性と注意点
イヌタデは食べることが可能な野草の一つですが、食べる際にはいくつかの注意点があります。
イヌタデ自体には有毒成分は含まれていないため、適切に調理することで安全に食べられます。
以下のポイントを押さえて安全に楽しみましょう。
イヌタデの成分と安全性
- イヌタデには特に有害な成分は含まれておらず、葉や茎にはビタミンやミネラルが含まれています。また、利尿作用があるため、薬草としても利用されてきた歴史があります。
- 体質や食べ過ぎによってお腹を壊すこともあるため、最初は少量から試してみるのが安心です。
自然で採取する際の注意
- イヌタデは公園や道端でも見られることが多いですが、食用にする場合は車通りの少ない場所や、農薬が使われていないエリアで採取するようにしましょう。排気ガスや農薬が付着している可能性があるためです。
- 他のタデ科の植物(例えばドクダミやイヌタデと似た有毒植物)と間違えないように、特徴をしっかり確認してから採取することが大切です。
アレルギーの確認
- イヌタデには、まれにアレルギー反応を起こす人もいるため、特に植物アレルギーがある方は少量から試してみると安心です。食べた後に口の中の違和感や体調の変化を感じた場合は摂取を控えましょう。
イヌタデはきちんとした手順を守れば安心して楽しめる野草ですが、自然のものなので最低限の注意は必要です!
イヌタデの味はどんな感じ?野菜で例えると?
イヌタデの味わいは、少しピリッとした風味が特徴です。
これは「アカマンマ」として親しまれる赤い穂(花の部分)も、葉や茎も同じで、わずかに辛味を感じますがほのかな辛味です。
イヌタデの辛味成分はわさびやカラシなどと同じ「辛子成分」によるもので、噛むと少しだけ刺激を感じることができます。
イヌタデの味を例えると
イヌタデは風味が強すぎないため、わさびやルッコラ、カイワレダイコンのようなピリ辛の野菜に近い印象です。
このため、食べ方次第でサラダや和え物など、少量加えて風味付けとして使うのがぴったりです。
茹でると辛味が若干和らぎ、青菜のように食べやすくなるため、少し多めに使いたい場合は茹でて使うと良いでしょう。
美味しく食べるためのコツ
イヌタデは、その辛味を活かすことで料理にアクセントを加えられる野草です。
独特の風味が苦手な方には、マイルドな味付けにするか、少量を別の野菜と組み合わせて使うと美味しく食べられます。
イヌタデを美味しく食べるための簡単レシピ3選
イヌタデを手軽に楽しめるレシピを3つご紹介します。
シンプルな調理法で、イヌタデ特有のピリッとした辛味や風味を活かせるレシピとなっています。
1. イヌタデのさっぱりおひたし
材料
- イヌタデ(葉と茎)……一掴み
- だし醤油……小さじ1
- かつお節……適量
作り方
- イヌタデを軽く水洗いし、沸騰したお湯で10〜20秒ほどサッと茹でます。
- 茹でたイヌタデを冷水に取り、粗熱が取れたら水気をしっかり絞ります。
- 小さめにカットし、だし醤油と和えます。
- 最後にかつお節をかけて完成です。
さっぱりとした風味と、イヌタデのほのかな辛味が引き立ちます。箸休めやおかずとしてぴったりです。
2. イヌタデと豆腐の和風サラダ
材料
- イヌタデ……一掴み
- 絹ごし豆腐……1/4丁
- 醤油……小さじ1
- すりごま……適量
作り方
- イヌタデはさっと茹でて水気を切り、食べやすい長さに切ります。
- 絹ごし豆腐を軽く崩し、茹でたイヌタデと一緒にボウルで混ぜ合わせます。
- 醤油を回しかけ、すりごまを振りかけて和えたら完成です。
豆腐のまろやかさとイヌタデの辛味が程よくマッチし、ヘルシーで食べやすい一品です。
3. イヌタデのピリ辛和え物
材料
- イヌタデ……一掴み
- 醤油……小さじ1
- 酢……小さじ1
- ごま油……小さじ1
- 鷹の爪(輪切り)……少量(お好みで)
作り方
- イヌタデをさっと茹でて、食べやすいサイズに切ります。
- ボウルに醤油、酢、ごま油を入れて混ぜ、イヌタデを加えて和えます。
- お好みで鷹の爪を加えてピリ辛に仕上げたら完成です。
イヌタデの採取方法と保存方法、安全に楽しむためのポイント
イヌタデは比較的簡単に見つかる野草ですが、採取や保存にはいくつかの注意が必要です。
安心してイヌタデを楽しむためのポイントをまとめました。
イヌタデの採取場所に注意
- イヌタデは道端や畑、川沿いなどに自生していますが、食用にする際はなるべく人や車の通りが少ない場所で採取しましょう。農薬が使われていない、自然豊かな場所が理想です。
- また、見た目が似た植物もあるため、イヌタデの特徴(細長い茎に小さな赤い花が咲く)をしっかり確認してから採取してください。
採取のタイミングと方法
- イヌタデは、春から秋にかけて成長するため、季節ごとの柔らかい葉や茎を選ぶのがおすすめです。特に春先の新芽は柔らかく、香りが良いので食べやすくなります。
- 葉や茎を摘み取る際は、根元からではなく、必要な分だけを摘み取ることで、自然への影響を最小限に抑えられます。
保存方法
- 新鮮なイヌタデは、採取後すぐに食べるのが最も美味しいですが、保存する場合は乾燥しないように湿らせたキッチンペーパーで包み、ビニール袋に入れて冷蔵庫で保管します。この方法で2~3日程度は保存可能です。
- 長期保存する場合は、イヌタデをさっと茹でてから冷凍保存する方法もあります。冷凍すると栄養価や風味が多少落ちることもありますが、調理に利用する分には問題ありません。
食べる際の確認とアレルギー対策
- 採取したイヌタデを調理する前に、土や小さな虫を取り除くためによく洗いましょう。
- 稀にアレルギーを引き起こす人もいるため、初めて食べる場合は少量から始めるのが無難です。口内に違和感がある場合や体調に変化がある場合は、すぐに摂取を中止しましょう。
まとめ
イヌタデは雑草として見過ごされがちですが、実は食べられる植物です。
少しピリッとした風味があり、調理法によっては食卓に彩りとアクセントを加えることができます。
採取する際は農薬の心配がない場所を選び、初めての場合は少量から試して安全に楽しみましょう。
シンプルなおひたしやサラダ、和え物などで気軽に取り入れられるので、ぜひ自然の味わいを満喫してみてください!
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