この記事は、実家の空き家がなかなか売れない原因と、その具体的な解決策について解説しています。
「親が残した実家、どうしよう…」「もう何ヶ月も売れないけど、これって普通なの?」そんな悩みを抱えているかもしれませんが安心してください。
結論からいうと、実家の空き家がすぐに売れないのは珍しいことではありません。
むしろ多くの人が同じ状況で困っています。
ただし、売れない原因をしっかり把握して適切な対策を打てば、状況は確実に改善できます。
ここでは売れない理由から対策について解説しているので、ぜひ最後まで読んでみてください。
実家の空き家が売れない理由

まず大前提として、「空き家が売れない=自分の物件に問題がある」とは限りません。市場環境や社会的な背景が影響していることも多いんです。焦る前に、まずは全体像を把握しておきましょう。
理由①:空き家の増加で買い手市場になっている
日本全国で空き家の数はここ数十年で急増しており、供給過多の状態が続いています。
売りたい人に対して買いたい人が少ない「買い手市場」になっているため、売り手側が有利に交渉を進めにくくなっています。
これは個人の努力だけでどうにかなる問題ではなく、社会全体の構造的な課題でもあります。
だからこそ、戦略的に売却活動を進めることが大切になってきます。
理由②:地方や郊外では需要が限られている
都市部への人口集中が進む一方で、地方や郊外では人口が減少しており、不動産の需要そのものが低くなっています。
特に、駅から遠い・商業施設が少ない・学校が遠いといったエリアでは、家族連れや若い世代が移住を検討しにくい環境になっています。
需要が少ないぶん、買い手が見つかるまでに時間がかかるのはある意味で自然なことです。
理由③:築年数が古い物件は敬遠されやすい
築30年・40年以上の物件は、耐震基準や設備の古さが気になって購入をためらう方が少なくありません。
特に1981年以前に建てられた「旧耐震基準」の物件は、金融機関のローン審査が通りにくいケースもあり、買い手の選択肢が狭まってしまいます。
物件自体の価値が低く見られがちな点は、売却を難しくする大きな要因のひとつです。
理由④:相続物件は売却までに時間がかかりやすい
親が亡くなってから実家を売ろうとすると、相続登記や名義変更、相続人全員の合意など、さまざまな手続きが必要になります。
兄弟や親族が複数いる場合は、意見のすり合わせに時間がかかることも珍しくありません。
手続きの複雑さが売却活動のスタートを遅らせてしまい、結果的に「売れない期間」が長引いてしまうことがあります。
理由⑤:すぐに売れる物件の方がむしろ少ない
不動産売却は「出したらすぐ売れる」というものではなく、一般的に数ヶ月〜1年以上かかることも普通です。
立地・価格・物件の状態が揃って初めて買い手がつくもの。
焦りは禁物ですが、だからといって放置するのもNGです。正しい戦略を持って取り組むことが、売却成功への近道です。
実家の空き家が売れない主な原因とは
「なぜうちの実家は売れないんだろう?」と思ったとき、多くの場合は具体的な原因があります。当てはまるものがないかチェックしてみてください。
売り出し価格が相場より高すぎるから
売れない原因として最も多いのが、価格設定のミスです。
思い入れのある実家だからこそ「少しでも高く売りたい」という気持ちはわかりますが、相場とかけ離れた価格をつけると買い手がまったく現れません。
不動産は価格が適正かどうかで、問い合わせ数が大きく変わります。まずは近隣の売却事例を調べて、相場感を正確に把握することが先決です。
1.立地条件が悪く買い手が付きにくい
最寄り駅から遠い、バスの本数が少ない、周辺に商業施設がないといった立地は、どうしても買い手がつきにくい傾向にあります。
立地は変えられないからこそ、価格や物件の見せ方で工夫する必要があります。
立地の弱みを正直に伝えつつ、その地域ならではのメリット(自然環境・静かさ・広さなど)をしっかりアピールすることが大切です。
2.建物の老朽化が進んでいるから
長年放置された空き家は、雨漏り・シロアリ・外壁の劣化など、見えないところに問題が潜んでいることがあります。
内覧に来た買い手が「修繕費がどれだけかかるか不安…」と感じてしまうと、購入をためらう原因になります。
建物の状態を事前に把握して、修繕が必要な箇所は対応しておくか、価格に反映させておくことが重要です。
3.室内や外観の印象が悪い
空き家になってしばらく経つと、埃やカビ、雑草が目立つようになり、内覧時の第一印象が悪くなりがちです。
人は感情で物件を選ぶ側面も大きいので、「ここに住みたい」と思ってもらえるかどうかは見た目の印象に大きく左右されます。掃除・片付け・草刈りだけでも、印象はかなり変わります。
4.不動産会社の販売力が不足しているから
担当してもらっている不動産会社の活動が消極的なケースも、売れない原因のひとつです。
物件をレインズ(不動産流通機構)に登録するだけで、積極的な営業や広告展開をしていない会社もあります。定期的に販売状況の報告を求めて、活動内容を確認することが大切です。
5.適切な広告や宣伝ができていない
写真の質が低い・物件情報が少ない・ポータルサイトへの掲載が不十分といった理由で、そもそも買い手の目に留まっていない可能性もあります。
今の時代、物件探しはネット検索が主流です。写真のクオリティや掲載情報の充実度が、問い合わせ数に直結します。
6.権利関係や相続手続きが複雑だから
物件に抵当権が残っていたり、相続登記が完了していなかったりすると、売買契約が締結できません。また、名義人が複数いる場合は全員の同意が必要で、意見がまとまらないと売却活動自体が止まってしまいます。
権利関係の整理は早めに動いておくことが、スムーズな売却につながります。
実家の空き家を売れやすくするための具体的な対策
原因がわかったら、次は対策です。できるところから順番に試してみましょう。
市場価格を調べて適正価格に設定する
まず取り組むべきは、価格の見直しです。不動産ポータルサイトや国土交通省の土地総合情報システムなどを使って、近隣の成約事例を調べてみましょう。相場より1割以上高い価格設定になっている場合は、価格を下げるだけで問い合わせが増えることも多いです。感情を切り離して、データに基づいた価格設定を心がけましょう。
ハウスクリーニングで第一印象を改善する
プロのハウスクリーニングを依頼するだけで、物件の見た目は驚くほど変わります。キッチン・浴室・トイレといった水回りを中心に清掃しておくと、内覧時の印象が格段にアップします。費用はかかりますが、売却価格への影響を考えると十分元が取れるケースがほとんどです。外壁や庭の手入れも忘れずに行いましょう。
リフォームや修繕で価値を高める
雨漏りや設備の不具合など、明らかな問題がある場合は修繕しておくことで、買い手の不安を減らすことができます。ただし、大規模なリフォームは費用対効果を慎重に検討する必要があります。「リフォームしたら売れる」とは限らないので、不動産会社に相談しながら判断するのがおすすめです。
複数の不動産会社に査定を依頼する
1社だけに任せていると、その会社の販売力に依存してしまいます。複数の会社に査定を依頼して、価格の幅や販売戦略の違いを比べてみましょう。一括査定サービスを利用すれば、短時間で複数社の見積もりを取ることができます。会社によってアプローチの仕方が大きく違うことに気づくはずです。
ホームステージングで魅力を引き出す
ホームステージングとは、家具や小物を使って物件をモデルルームのようにコーディネートする手法です。がらんとした空き家よりも、生活感を演出した部屋の方が「ここに住みたい」という気持ちを引き出しやすくなります。プロのスタジャーに依頼する方法もありますし、セルフで行う簡易的な方法もあります。
売却時期を見直して需要の高い時期を狙う
不動産市場には季節的な動きがあります。一般的に、春(2〜3月)は転勤や進学に合わせた引っ越し需要が高まるため、買い手が増えやすい時期です。この時期に合わせて売り出し価格を調整したり、内覧の準備を整えておいたりすることで、成約率を上げることができます。
古家付き土地として販売方法を変える
築年数が古く建物の価値がほぼない場合は、「古家付き土地」として売り出す方法も有効です。建物を壊す費用(解体費)を売主が負担する代わりに土地として売る方法や、解体費込みの価格設定にして買い手の初期費用を抑える方法があります。建物にこだわらず土地として評価してもらうことで、買い手の幅が広がります。
実家の空き家を売る際の注意点と失敗しないコツ
対策を進める一方で、やってしまいがちな失敗もあります。ここでご紹介する注意点をしっかり押さえておきましょう。
相場を無視した価格設定をしないこと
「思い出がある家だから高く売りたい」という気持ちは自然ですが、感情で価格を決めると長期間売れ残る可能性が高くなります。市場価格から大きく外れた価格設定は、むしろ最終的に値下げを繰り返すことになり、損をするリスクがあります。最初から適正価格で出す方が、結果的に早く・高く売れることが多いです。
契約内容や仲介手数料を事前に確認すること
不動産会社との媒介契約の種類(専任・専属専任・一般)によって、売却活動の内容や自由度が変わります。また、仲介手数料は「売買価格の3%+6万円(税別)」が上限と法律で定められていますが、契約前にしっかり確認しておきましょう。後になってトラブルにならないよう、疑問点は納得いくまで質問することが大切です。
複数の不動産会社を比較検討すること
最初に話を聞いた会社にそのまま任せてしまうのはリスクがあります。会社によって得意なエリアや物件の種類、販売戦略が異なるため、複数社を比較して最も信頼できる会社を選ぶことが重要です。査定価格だけでなく、担当者の対応の丁寧さや提案内容も判断基準にしてみてください。
瑕疵や不具合は正直に告知すること
雨漏りや設備の不具合、過去に起きたトラブルなどは、売却時に買い手へ正直に伝える義務(告知義務)があります。隠して売った場合、後から損害賠償を請求されるリスクがあるため、必ず正直に開示しましょう。知っている情報はすべて書面にまとめておくと安心です。
税金や費用を事前に把握しておくこと
不動産売却には、譲渡所得税や登記費用、解体費用など、さまざまなコストが発生します。売却益が出た場合は確定申告も必要です。「売れたと思ったら思ったより手元に残らなかった」とならないよう、事前におおまかな試算をしておくことをおすすめします。税理士や不動産会社に相談しながら進めると安心です。
焦って安売りしないようにすること
売れない期間が続くと「早く手放したい」という焦りから、相場を大きく下回る価格で売ってしまうケースがあります。しかし、焦りによる安売りは後悔の原因になりやすいです。空き家の維持コスト(固定資産税・管理費など)を把握しつつ、長期的な視点で売却活動を続ける方が結果的に良い条件で売れることが多いです。
実家が空き家で売れないことについてまとめ
- 売れない原因の多くは「価格設定のミス」「物件の印象の悪さ」「不動産会社の販売力不足」
- まず取り組むべきは「相場の確認と適正価格への見直し」
- 複数の不動産会社に査定を依頼して、販売戦略を比較検討することが重要
- ハウスクリーニングや古家付き土地への切り替えなど、売り方の工夫で状況は変わる
焦って安売りするのではなく、原因を把握したうえで一つひとつ対策を講じることが大切です。
実家の空き家問題をぜひ前向きに解決していきましょう。
売れない状況は、正しい行動で必ず変えられます。
